高速卓球はなぜ可能か?
こんにちは。
卓球三昧の藤井です。
先日の世界選手権を見ていて一つ気付いたことがあります。
以前から張本君や中国選手が、何故コンパクトな高速両ハンドが打てるのか?という疑問がありました。
私が学生の頃は「ラケットを振ったら早く戻し次の打球に備える」という考えが基本でした。体も同様に打球したらもとの体勢に戻すという考え方です。
しかし、最近では、先日の河田コーチのブログにもありました「ラケットを振り終えた場所が次のラケットのスイングの始まりになる」という様に変化してきているように感じます。
通常の考え 打球後体の前に直ちにラケットを戻す(相手が打球する前に)
新しい視点 打球したらラケットは戻さず振りっぱなし (返球コースが決まった後にラケットを引く)
上記の事がとても良くわかる動画を2つご紹介します。両選手ともラケットはスイング後戻さず静止しさせ、体も直立した状態で次のボールに備えています。
スイング後のラケットを振り切っている時間と、ラケットを体の方に戻しテイクバックを取っている時間を比べてみてください。スイング後のラケットが止まっている時間の方が長いのがわかります。
これは、ボールを打ったらすぐにラケットを引き膝を曲げて次のボールに備える、という考えと相反する打球方法となります。
もしラケットを打球後にすぐに引いてしまっては、テイクバックを取っている時間の方が長くなってしまうはずです。
高速化が著しい現代卓球では、あえてラケットは早めに戻さない方が余計な動きが省け、動作が簡略化されるためにこのような打法になったと考えられます。
しかし、下回転や遅いボールに対しては今まで通りの打法になっているように思えます。どちらが良いというよりも、トップ選手は2つの打法(タイミング)を使いこなしています。
ボールが来てからラケットを引く。振り遅れそうな気がしますが、実際こちらの方が上回転ボールに対しては早い打点でコンパクトにスイングできます。
是非、試してみてください。
卓球場・卓球教室の
卓球三昧 高田馬場店 藤井貴文
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コメント一覧-
藤井 領一 より:
2018年7月26日 8:33 AM
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藤井 領一 より:
2018年7月22日 9:51 AM
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藤井 領一 より:
2018年5月21日 8:24 AM
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藤井 領一 より:
2018年5月20日 3:17 PM
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藤井 領一 より:
2018年5月19日 5:28 PM
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藤井 領一 より:
2018年5月19日 11:34 AM
藤井さん
藤井さんや河田さんの基本姿勢に関する分析を拝見すると若い人ならではの新しい視点があり敬服致します。
ただ私の様なキャリアの長い年寄りの視点から見ると、以下の様な印象を持ちました。
打球後に身体やラケットが基本姿勢に戻れない方の多くは、今の打球に気を奪われ過ぎていると感じます。
その時その場の状況に最適化し過ぎてしまっているため、次のプレーが続かなくなってしまうのです。
改善策としては、(相手や自分の)次の打球を意識して今の打球をすること、言い換えれば将来の展開を考えてプレーする(最適化を図る)癖を付けると良いと思います。
(ロビング打ちや中陣ドライブの)添付動画で男子選手が打球後にラケットを一瞬止めているのは、高速化を図るためではなく、逆にタイミング的に一瞬間が空くため相手のボールを待っていると思われます。
「亀の甲より年の功」「急いては事を仕損じる」という諺がありますが、何事も過度に近視眼的に焦らず、中長期的な視点を持って落ち着いて対処する習慣をつけたいものです。
上記は私見です。
藤井 領一
藤井さん
お疲れ様です。日夜新しい卓球の研究に勤しまれている貴職の前向きな姿勢には敬服致します。
貴職のブログの見解に対する私の見解としては、貴教室の生徒さんに基本を教える上では、今以て貴職が学生の頃の「ラケットを振ったら早く戻し次の打球に備える」という基本の考え方で良いと私は思います。
河田さんは速いボールなど次球に対応できる時間が短い場合、基本姿勢に戻す時間がない(ラケットを基本位置に戻すことにより逆に遅れてしまう)点を指摘されています。
上記課題に対して「打球後ラケットを振りっぱなしにして止める(静止させる)方が良い」と助言するとラケットを振り終わりの位置(体の前上方や反対側の肩や頭の上)で止めた状態で次球を待つことになり、さらに時間が足りなくなってしまいます。(ラケットを振り終わりの位置で静止させて待つ分、時間をロスします。)
貴職はラリーでは相手も自分と同じ様に下がって(ロビングやドライブで)上回転系のボールを打ち返してくれるものと想定されている様ですが、相手が前陣で短くストップまたはサイドラインへ切れて行く横回転のボールを返して来たり、ツッツキやカットで低い下回転のボールを返して来ても上記で対応できるのでしょうか?その様な場合はどうされるおつもりなのでしょうか?
つまり、基本姿勢とかけ離れた身体やラケットの位置であらゆる回転、コース、長さのボールに対応できますか?という単純な質問です。
御添付いただいた動画は、男子選手の主にスマッシュ対ロビングや中陣の引き合いのドライブのラリー動画であるため、必ずしも現代卓球の前陣の高速ラリーの参考になる動画ではないと考えます。
藤井さん、私の質問に対する御回答と私の誤解や勘違い等ありましたらご指摘のほど宜しくお願い致します。
人により色々な考え方があると思いますので、異なるご意見のお持ちの方はコメントいただけると幸いです。
上記は私見です。
藤井 領一
下記コメントを補足致します。
新しい視点の打法にはもう1つ大事な論点が隠されています。
それは「基本姿勢に戻らないといけない状況になった原因」です。
基本的な考え方として基本姿勢に戻らなければいけない状況とは打球後に身体やラケットの位置が基本位置に戻っていない場合です。
それは打球時または打球前の動作に主な原因があります。
具体的には打球前に大きく動き過ぎて自陣に隙(空きスペース)が生じた場合や、打球時にラケットが振り始めの位置へ戻らない軌道のスイングをしたり、大振りし過ぎてラケットが振りっぱなしの状態で止まってしまった場合などが原因として考えられます。
私の見解ですが、基本姿勢へ戻す問題をその原因から軽減するためには以下の点に留意すれば良いと思います。
コンパクトに動き打球する。
打球前に必要最小限に足を動かしコンパクトなスイングで打球すれば、打球後の身体とラケットの位置は基本姿勢との乖離が小さくなるため、基本姿勢へ戻る負担や時間は少なくて済みます。
(種々の事情で基本姿勢へ全く戻る余裕がない場合でも、悪影響は小さくなります。)
プレーする際は、後のプレー(先)のことも考えてトータル的に無理や無駄のないプレーを心がけることが合理的な卓球につながると考えます。
上記は私見です。
藤井 領一
新しい視点の打法の真の論点とは?
藤井さんと河田さんの新しい視点のラケットの動かし方を拝読した結果、新しい視点の裏に深い論点が隠されていたことに気が付きました。
ラケットの振り終わりの位置も大事ですが、ラケットは瞬時に比較的容易に動かせるため、論点としては「従」だと私は考えます。
(選手が新旧の打法両方使いこなしているのであれば、ここを追求しても最適解は出て来ないと思います。)
ラケットの振り終わり位置よりも重要な(主となる)論点は、打球後の身体の位置です。
身体の位置はラケット位置の様に次打球のスイング軌道に織り込んでまとめて調整というわけにはいきません。
身体の位置を動かすことは、ラケットを動かすよりも多くの力や時間がかかるのみならず、難易度の高いフットワーク技術を必要とし、その後の打球動作やラリーを続ける上でのポジショニングに大きく影響します。
私の知る限り、卓球に限らずラケット競技のポジショニングの主な考え方は以下の3通りがあります。
1.打球後、基本位置に戻る
2.打球後、基本位置の近くまで戻る
3.打球後そのままその位置に留まる(基本位置に戻らない)
ここから先は指導書等には書かれていないため、以下は私の経験と見解に過ぎない点をご承知おき下さい。
競技スクール等で指導者が入門/初級者にポジショニングを指導する際は、上記1.を基本に教えると思います。
しかし、実際に選手が試合で取るポジショニングは(選手や状況にもよりますが)上記2.が多いと思います。
なぜ選手はコーチに指導された通りに基本位置まで戻らない(ことがある)のでしょうか?
その理由は、相手がどのコースに打つか予測できない段階で全て基本位置まで戻っていては、場合によっては戻り過ぎて時間や体力をロスしたり、相手に戻る動きの逆を取られる恐れがあるからです。
(実際の試合では、基本位置へ戻る時間がない場合や疲労困憊して体力的に戻れないこともあります。)
実際は自陣に隙を作らない程度に基本位置の近くまでは戻って対応し、残りは予測(広めに空いたオープンスペースを警戒する)で対応します。
つまり、戻りの動きとコースの予測をミックスして対応するのが合理的と考える選手が多いと思います。
従って指導上は上記1.が基本ですが、実際の試合の中では上記2.で運用される場合が多いと私は感じます。
上記2.の実際の動きと予測をミックスする考え方の予測のウェートをさらに高めたのが上記3.になります。
上記3.はコースが決まってから短時間に一気に動く対応となるため、予測と初動が大切になります。
(基本位置へ戻る動作を省略して無駄を省く分、予測と相手の打球後の動きのウェートが大きくなります。)
上記は主の論点と思われる身体の動かし方の主な考え方を説明したものですが、同様に従の論点としてラケットの動かし方が別の論点としてあります。
藤井コーチや河田コーチが指摘された新しい視点の打法は上記の後者の論点にあたると思われます。
上記の身体とラケットの動かし方については、上記の(ウェートの置き方の違いも含めると様々な)考え方があります。
それぞれ長所や短所があり、選手のプレースタイルや戦術、状況にもよるため、一概にどれが正しいとは言えないと考えます。
(但しラケット競技全般的に基本としては「打球後は基本姿勢に戻る」が今も指導されていると思います。)
藤井さん、河田さん、ブログで鋭いご指摘をいただき、上記の気づきを与えていただき有難うございました。
上記は私見です。
藤井 領一
下記補足致します。
動画の様に中陣でドライブを打ち合う際に「ラケットを振り終えた場所が次のラケットのスイングの始まりになる」新しい視点?の打法で打球されるのは下記にお書きした通り無駄がない打ちやすい打ち方と考えます。
上記の様に一定のスタイル・打法や一定の状況下で打法の最適化をはかることは従来からもされて来ましたし、そのこと自体は選手が(常識にとらわれず)最善を尽くす意味で良いことだと思います。
ただし上記は個別のスタイル、打法、状況下の各論の話で、入門の基本(総論)としてはスタイル(戦型)・打法やラバー種類を問わず全ての競技者がやりやすいやり方にしておいていただきたいのです。
私の願いは、卓球への新規参入の敷居を下げて門戸を広げる、言い換えると競技者やファンの数を増やし卓球を今よりもメジャーで人々が容易に楽しめるスポーツにすることなのです。
世界の人々の間には様々なニーズや好みがあるため、、ドライブ対カット(或いはスマッシュや前陣速攻)型やシェイク対ペンなどの異種戦型対決を残して様々なタイプの選手に活躍の機会を与え、観客の興味や関心を引きたいと考えています。(どの戦型が圧倒的に有利とか、ある戦型は絶滅寸前という事態は避けたい。)
私見ですが、全ての競技者がプレーしやすくなるために入門の基本としては以下の要件を考えています。
構え:台の中央近くに立ち、直立姿勢に近い自然体で構える。(競技者がやりやすい様に変えても良い)
動き:競技者がやりやすい様に足を動かせば良い。(ボールに近づいて打球することを無理に強制しない)
打球:ボールがどのコースに来ても、(前中後陣どの位置でも)続けて打ちやすい打球方法
(私見ですが、体の前でほぼ水平に円を描くスイングが自然に打球に回転がかかり入りやすく基本打法として続けて打ちやすいと思います。後は状況や競技者のスタイルに合わせて打ちやすい打法に変えて行けば良いと考えます。)
上記の要件を持たせば卓球を始める人は誰でもスタイル(主戦型)やラバー種類に関わらず、無理のない姿勢でラリーを楽しむことができます。また上のレベルに進んでも上記ができることは無駄にならないと考えます。
私が数年前卓球を始めた経験から申し上げますと、まずはレシーブが返り、無理なくラリーを続けられることが卓球に対するやる気や興味を持続させる上で最低限必要であると思われるからです。
上記は私見です。
藤井 領一
藤井さん(河田さん)
ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか。
ブログと動画拝見致しました。
貴職の斬新な視点に新しい卓球への意気込みが感じられ、深く感銘致しました。
確かに貴職ご指摘に通り、動画のドライブのラリーでは「新しい視点 打球したらラケットは戻さず振りっぱなし (返球コースが決まった後にラケットを引く)」のラケットワークは随所に見られます。
以下、私の見解を述べさせていただきます。
プラボール移行後、打球の減速が大きくなりました。(特にドライブの威力が少し落ちました。)
そのため、中陣でドライブを打ち合う際は、セルボールの頃よりも打球前に少し時間的に余裕ができたため、相手の返球コースが見えた後にラケットを引く様、選手が状況に適応したのではないでしょうか?
時間的に余裕があれば、返球コースが決まってから最短距離で動き最適なルートでラケットをまとめて一回で引いた方が無駄がなく、フルスイングしやすいと思います。(この点は貴職や河田さんのご指摘の通りだと思います。)
ただし、このラケットの動かし方ができるのは相手の返球コースが決まってからラケットを引いても間に合うのが予測される場合に限られるのではないでしょうか?(間に合わない場合、返球できなくなります。)
最も懸念されるのは台に着いた前陣同士でコースが予測できない高速ラリーを打ち合う際にラケットを振り終わりの体の前の高い位置にそのまま静止させて次のボールを待つ打球方法で間に合うかという点です。
(例えば、前陣の相手に不意にラケットから遠いコースにスマッシュを打たれた場合に新しい視点の打法で返球できるでしょうか?)
もし本当に上記の新しい視点の打法(ラケットの動かし方)の方が優れており、対応力が勝るというのであれば、選手が基本的に常に新しい視点のラケットワークをしていないと辻褄が合わない(しない場合はその理由が必要)と考えます。
貴職もご指摘の様に下回転や遅いボールの時に逆に時間的余裕があり過ぎるため、より対応しやすい従来の打法になるのであれば、新しい視点のラケットの動かし方は一定の時間的余裕がある時に、無駄なく大きなスイングでドライブを打ちたい時に適した打法なのではないでしょうか。
(上記は私の推測に過ぎません。どうしてもトップ選手が新旧2つの打法を使い分けている理由を解明したいならば、聞きやすい選手に聞かれると理由がお分かりいただけると思います。)
様々な見解があると思いますが、私の見解としては新しい視点の打法は全てのスタイル・戦型や状況下で選手や生徒さんに基本打法や万能打法としてお勧めできる打法としては適切ではないと考えます。
また新しい視点の打法は一定の状況下では以前から一部の選手の間で使われていたのではないでしょうか?
もう1点指摘させていただきたい点は、従来の打法に対するご理解が少し違うと思います。
従来の打法はラケットを振り終わりの所で一旦完全静止した後おもむろに体の方(基本位置)へ引くのではなく、スイングの後半に体の方へ引く軌道が組み込まれている(ラケットは基本位置へ戻るまで静止しない)のが上手い人の打ち方だと私は理解しています。
従って、従来の打法も上手くスイングすればラケットを一旦静止した後に体側へ引き戻す無駄はないことが本動画でご確認いただけると思います。
(私が上記動画を見た限り、ラケットを引き戻す無駄で間に合ってないシーンは無い様に見受けられました。)
上記はブログや動画の通りに私が実際にやってみて感じた感想(個人的見解と推測)に過ぎません。
新しい技術を研究・開発する際は、実際にやって検証すること(テスト)と結果を評価・分析することが大切です。ご興味を持たれた方は、是非お試しになり感じたことがおありになればコメントいただければ幸いです。
最後になりますが、新しい視点をご提示下さいました藤井コーチ並びに河田コーチに心から感謝の言葉を捧げたいと思います。
また前回の私のコメントにお返事いただき有り難うございました。(議論は応答されて初めて深まります。)
卓球三昧やshakehandsさんが、その専門知識・ノウハウと日本の卓球を引っ張って行く進取の気性を持って、新しい卓球を研究・指導していかれることを期待致します。
上記は私見です。
藤井 領一