不文律の成文律化
こんにちは。
卓球三昧の藤井です。
上手い人は何故上手いのか?上手い人の理由は多岐に渡りますが、全日本レベルの選手は長い練習を通して、ミスをしない不文律を体得しているとも言えます。不文律とは「この高さ、この回転のボールにはこんな感じでスイングした方が良い」など、言葉で具体的に説明できないコツのことです。
この卓球の不文律を、最近レッスン中にひらめき、成文律化できました。これは今まで考えた表現方法の中でもかなりのヒット作です。 藤井の専売特許にします笑
下記ミスしないスイングの二箇条です。
—————————
①どこで打球しても、打球したポイントからラケットが上昇しないようにすること
②どこで打球しても、打球したポイントから相手側にラケットが進まないようにすること
—————————
もう少し具体的に説明すると、ドライブをかける際にラケットは下からスイングが始まります。①ボールに当たるまでラケットは上昇し続け、打球後にラケットを下げます。②打球後に自分の体側にラケットを引きニュートラルポジションに戻ります。
打球後もラケットが上に進み続けると、持ち上げすぎでオーバーする可能性が高くなります。また、打球後に相手側にラケットが進み続けるとボールを押す力が強くなり、スピードは上がりますが回転量は落ち、同じくオーバーする可能性が高くなります。
卓球においてネットミスよりもオーバーミスの方が多いのは、この条件が守られていないケースが多いためです。
また上記の2つの条件を満たすとラバー表面の戻る力が強くなり、回転がよりかかるようになります。詳しくは以前のブログを参考にしてください。
常に自分のストライクゾーンで打てるとは限りません。しかし、どの場所で打球しても、上記の2つの条件を満たすスイングをするための体の使い方をすれば必ずミスは減ります。
例えば、振り遅れて体の横や後ろで打球してしまった場合に、そのポイントから前にスイングするとオーバーする可能性が高くなります。よくボールを押し過ぎと言われる方、弾いてしまい回転がかからない方はこの状態になっています。
一旦ラケットにボールが当たってしまってから打球点を再び変えることは出来ません。この詰まった状態では、打球時に体を後ろに引くことにより、上記の2つの条件を満たすことができます。
是非、参考にしてみてください。
藤井
卓球三昧
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コメント一覧-
藤井 領一 より:
2017年5月12日 12:27 PM
-
藤井 領一 より:
2017年3月26日 10:30 AM
どこで、誰に卓球を教わっても、打球時の注意として言われる助言が2つあります。
・ボールを前に押し過ぎない(強く打ち過ぎない)
・ボールに回転をかける(ボールの軌道が直線的にならないように)
上記2つはコントロールを安定させる秘訣ですが、実際にどうすればよいか?少し詳しく見ていきましょう。
上記2つは確かとても大切な助言ですが、力まずに軽く(緩く)打つと比較的コントロールは安定するのですが、相手に返球されやすく相手がやりやすくなってしまいます。
ボールを押し過ぎないで、かつ回転をかけて(強く)打つにはどうすればよいのでしょうか?
1.必然的に押し過ぎず、回転がかかるスイングを身に付ける。
相手にやり(返し)にくくさせるには、強いボールを打てることが必須です。
ただ強く打つとボールを押し過ぎてしまい安定性がなくなるので、強く打っても必然的に前に押し過ぎずボールに回転がかかるスイングを身に付けることが重要です。ラケットを後ろから前へ押すスイングをすると強く打つとボールを押し過ぎるので、水平の楕円若しくは横方向に外側から内(体)側にラケットを振(スイングす)ればよいのです。
このスイングは回転がかけやすく、ラケットが構える位置(スイングの終点)に自然に戻ります。
水平に楕円を描くスイングの先端直前で(若しくはラケットを横に振るスイングで)打球すれば、ラケットは打球後必然的に前に進み過ぎず、打球時に自然に横回転がかかり、コントロールが安定します。この打法はボールの回転の影響を受けにくいので、レシーブにも適しています。
(藤井コーチの本ブログの上記「ミスしないスイングの二箇条」も両方満たしています。)
2.ボールを正面に打ち返し過ぎない。
ボールを正面に打ち返すとスイングの力がまともにボールに伝わり過ぎてしまい、自らのスイングと相手のボールの勢いを逃がすことが難しく、ボールに回転をかけ(軌道を曲げ)にくくなります。
ストレートから来たボールはクロスへクロスから来たボールをストレートへ角度を変えて打ち返せば、自らのスイングと相手のボールの勢いを少しずらし擦ってボールに回転をかけやすくなります。
ボールを正面に打ち返さないと必然的に相手を左右に振ることになり、相手の卓球を乱す(体勢を崩す)ことができます。(サイドに切れる横回転をかけるとさらに相手は返球しにくくなります。)
3.ボールの正面(中央)を打ち過ぎない
ボールの正面(中央)を打つと自らのスイングと相手のボールの力がまともにボールに伝わりやすく、ボールを押し過ぎてしまい回転がかけにくくなります。
ボールのやや側面を捉えて擦るように打ち返すと必然的に前に押し過ぎないで回転がかかります。
相手のボールの正面(中央)を打ち過ぎないで回転をかける打法としては、上記1の楕円打法と横回転カットの他、ドライブ、下回転系のカット/ツッツキ、チキータ、ミュータ、等の上/下回転系と横回転系の技術があります。
逆に相手のボールの正面(中央)を打つ打法としては、スマッシュ、プッシュ等のスピード系技術がありますが、これらも打球時に回転を加えることで安定性を高めることができます。
上記は私見ですが、皆さんの上達のヒントになれば幸いです。
藤井 領一
私見ですが、ミスを減らすための注意点を下記に記載致します。
皆様の上達のヒントになれば幸いです。
1.用具
弾みすぎるラケットやラバーを使うと、軽く打球しただけでも
ボールが飛び過ぎることがあるので、用具を選ぶ際に留意します。
またテンション系のラバーや(特)厚スポンジもボールの弾みが
よくなるため、コントロールが難しくなることがあります。
2.構える位置・姿勢等
ボールがどこに来ても取りやすい位置・姿勢(自然体)で構え、
グリップや体をリラックスさせた状態で相手のボールを待ちます。
3.ショットの精度をあげる
技術面と精神面において、正確に打球できるように練習します。
相手が打って来たボールをよく見て、スイング(軌道、力加減、
ラケット面の角度、打点、タイミング)に注意し、焦らず落ち
着いて打球します。(特に相手の強打には冷静に対応します。)
4.打法
打球時に特に意識しなくてもスイングの原理的に
ミスしにくい打法を身につけます。
ミスをしにくい(相手のコートに入れやすい)打法とは
打球者が意図するしないに関わらず、打球するボールの
スピードが速くなればなる程、自然とボールの回転が強く
なる打ち方をすれば、ボールは常に直線的に飛ばなくなり、
ボールの空気抵抗と軌道の曲がりが大きくなる分、相手の
コートに入りやすくなります。
ミスしにくい打法は各人が自分の頭で考えて練習の中で
自分に合った打法を身につけるのがよいと考えますが、
打球時にボールを「押し過ぎない」「擦って回転をかける」
の2点(ボールのスピードを抑えて回転をかけて確実に返球)
がヒントになると思います。
5.打球時の力加減
ラリー時は相手が打ってきたボールを適度な力加減
(5~6割が目安)で打球します。
チャンスボールが来た場合でも、全力で打ち抜こうとせず、
ミスしない範囲の力加減(スピード)で打球します。
チャンスボールが来た場合は、打球したボールが直線的に
飛び過ぎない様、強めの回転をかけてスマッシュを打つのが
効果的です。
(ボールの回転が強い方がコートに入りやすく、相手も取りずらい)
6.相手と同じ位の速さのボールを返球する
(特段チャンスでもピンチでもない)通常のラリー時は、
相手が打ってきたボールと概ね同じスピードで返せばよい
という位の楽な気持ちでリターンします。
基本的にほぼ一定の力加減で打ち返し(その結果、緩いボールは
緩く返され、速いボールは速いボールが返される)相手のボール
に合わせた(自分から無理をしない)ラリーを心がけます。
打球時に力まずに相手のボールのスピードと回転を利用して
確実に返球する(ミスをしない)ことがポイントになります。
7.相手のボールを利用する。
相手のボールのスピードと回転をできるだけ利用するようにします。
相手のボールの勢いを利用して返球し、相手のボールの回転に正面から
逆らわない(ボールの回転方向を変えない、または回転軸をずらす)
打ち方を基本にし、状況によっては変化する心構えがよいと考えます。
相手の卓球に合わせて、自分の卓球を組み立てる(自分から無理をしない)
位の楽な気持ちで望みます。
8.打球点
ボールは台にバウンドした後、 山なりの弧を描きますが、
弧の頂点の少し前(後述を参照)で打球するとボールを
相手のコートに直線的に打ち返せる角度が大きくなります。
ネットの上端とボールの山なりの弧線を結ぶ接線との接点(X)
で打球すると、一番上から角度をつけて相手のコートに
打つ降ろすことができます。
→接点(X)が角度的には一番ネットミスしにくい打球点ですが、
一番ネットもオーバーミスも総合的にしにくい打点は上記の
接点(X)よりも少し前の打点になります。
しかしながら、実際のプレーの中では、打球点は状況や戦術
によって変わってくるので、最適な打球点は各人のプレー
スタイルによって違ってくると考えます。
9.体よりも前で打球する。
現代卓球では台上技術の巧拙が試合展開を大きく左右するので、
ラケットを体につけて引いて構えずに、体の前(30cm位が目安)
で構え、いつでも台上技術を使えるよう姿勢を整えて待ちます。
必ずしもライジングで打球する必要はありませんが、基本的に
体よりも前で打球(体の前でさばく位の気持ち)で打球します。
■体よりも前で打球する(ラケットを前に構える)メリット
・相手に不意に強打された時や読み違えの場合等の非常時に備え、
体に近い前のエリアは開けておく。(非常時はそのエリアを使って対応)
・体の前で打球した方が力や面の調節がやりやすい。
・必然的に前に押し過ぎない。(確実に当てて返す位の意識)
・打点が下がらない分、返球しやすい打点で打球でき、左右に角度を
つけて返球できます。また相手に時間的余裕を十分に与えません。
・台にバウンドしてから打球時まで目でよく見て打球しやすい。
→「差し込まれてはいけない」という意識が非常に大切。
10.焦りは禁物
(チャンスボールが来た場合を含め)次の1本で決めようとすると
力んだり、コースを狙い過ぎたりして、ミスが多くなりがちです。
次の1本で決めようとせず、相手のコートを外さない範囲で攻撃し
相手に不利な体勢で打たせ続ければ、相手は返しずらいリターンを
続けることになり、相手が先にミスをする可能性が高くなります。
11.先の展開を読む
「次の1本で決めようとしない」攻撃をすれば、必然的に相手から
ボールが返球されて来ることが多くなります。
従って、「次の1本で決めようとしない」攻撃をする際には、
そのボールを打てば、次に相手のボールがどこに返って来やすいか、
さらに相手から返球されて来たボールを、その次にどのコースに
どの様なボールを打てば相手は返球しずらいかを考え(=常に予め
次の展開を考え)、位置・体勢を整えて待ち構えていることが自分
のミスを減らし、得点力の向上につながります。
12.試合では、やれないことはやらない
練習では難しい技術に積極的に挑戦し、自分の技量を高めていくことは大切ですが、
試合で成功率の低いことをやろうとするとミスにつながります。
試合では思い切って打てるボールかどうかの見極めを正確に判断し、
「やれないことはやらない。いける時はいく」位の気持ちで、安定性を重視しつつ
消極的になり過ぎないプレーを心がけることが大切です。
藤井 領一